大山は神奈川県の丹沢の東端に位置する標高1,252mの山。今回は、大山に登ってみたいと考える登山初心者さん向けに、大山へのアクセス、見どころ、持ち物、服装、コースと難易度、温泉情報など知りたい情報を、まとめてまるっとご紹介します。
もくじ
大山って?大山の見所
大山は、関東の霊峰とも言われています。都心からのアクセスも良いため人気の登山先として知られているとともに、観光地にもなっています。江戸時代には「大山詣り」と言って年間数十万人も訪れる信仰を集めていました。富士山と大山の神様は、親子の神様の関係で、両方に参ることを「両参り」というそうです。
また、「雨ふり山」として古来より雨乞い信仰の中心地としても広く親しまれてきました。現代では、パワースポットとしても注目を集めています。
大山の見所1:ミシュランガイド二つ星の眺望

大山の見所2:魅力いっぱいの大山豆腐料理

本格的な豆腐料理の他にも豆腐ソフトクリームや豆腐パンケーキなど豆腐を使った軽食もおすすめ!登山後は冷たいソフトクリームが相性がいいですね。大山阿夫利神社下社の売店でいただいた「豆腐ソフトクリーム」は、豆腐の味が濃厚で豆腐好きには最高でした。
大山の見所3:大山寺のかわら投げで厄落とし

ゲーブルカーの中間駅でもある「大山寺」駅下車。黒く重厚な外観から歴史を感じる「大山寺」では、厄を落とす「からわけ投げ」があります。直径6cmほどの素焼きの土器を投げ、
- 一.投げて厄を落とし
- 一.砕いて厄を祓い
- 一.的を通して願いが叶います
という「厄除け、開運」の行事。1回300円で、チャンスは2回。数十メートル先の輪っかに向かって土器を投げます。うまく輪に通すと願いが叶うというもの。
私も挑戦してみましたが、「からわけ」は、思ったよりとても軽くて、遠くにとばず2回とも輪の随分手前に落下してしまいました・・。
腕に自信のある方は、運試しに是非!
大山へのアクセス
小田急小田原線「伊勢原駅」下車。新宿から約1時間。
伊勢原駅からは、路線バスに乗り換え。北口の4番乗り場から約10〜20分ごとに出ている「大山ケーブル」行きに乗りましょう。終点の「大山ケーブル」バス停まで30分弱になります。
▼神奈川中央交通
「伊勢原駅北口」バス停の「大山ケーブル」行きバスの時刻表
観光客の増える時期は、臨時のバスが出てることもあります。今回GWの合間に訪れましたが、臨時バスが出て定員オーバーで、予定のバスは見送ったものの、10分後には次のバスに乗ることができました。しかも、直行だったので早く着くというおまけ付きでラッキーでした。
「大山ケーブル」バス停からは、おみやげ屋さんが軒を連ねるコマ参道を通ってケーブルカーの乗降地「大山ケーブル」駅へ歩いて15分程くらいになります。途中、眺めているだけで楽しいお店が並んでいますので、ついつい寄り道しがち。
ケーブルカーを利用する方は、出発時間をチェックして早めに並びましょう。
▼ケーブルカー時刻表
https://www.ooyama-cable.co.jp/timetable/
こちらも、観光シーズンは、非常に混み合っており20分ごとの出発ですが、行列は覚悟した方がよさそう。予定の出発便から2~3本分は余裕を見ておいた方がよさそうです。
新宿から大山阿夫利神社下社までのアクセスと所要時間まとめ
- 小田急小田原線:新宿駅ー伊勢原駅(60分)
- 神奈川中央交通バス:伊勢原駅北口ー大山ケーブル(25分) ※系統 伊10/伊11
- 徒歩:大山ケーブル駅ーコマ参道ー大山ケーブル山麓駅(15分)
- ケーブルカー:大山ケーブル(山麓駅)ー阿夫利神社(山頂駅)(6分)
- 徒歩:大山ケーブルー阿夫利神社下社 (2~3分)
新宿からなら、阿夫利神社下社までケーブルカーを使えば約2時間弱。ただし、路線バスとケーブルカーは、1時間に3本。混雑時は、臨時便が出ても1〜2本は見送ることになりそうです。待ち時間が発生することを考えて行程には30〜60分以上は余裕を持つことをおすすめします。
ケーブルカーを使わないで大山阿夫利神社下社に行く場合
私は、ケーブルカーを待つのもしんどい、登山に来たからには歩いて大山寺、大山阿夫利神社に参拝したいとケーブルカーを使わずに、大山阿夫利神社下社まで行きました。その場合は、所要時間は約40分です。体力に自信のある方は、是非!
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大山ケーブル駅の駐車場

大山登山の代表的なコース

大山に登るには、いくつかのコースがあります。今回は、最もメジャーなコース大山阿夫利神社下社→大山山頂の大山阿夫利神社本社→見晴台→大山阿夫利神社下社に戻るコースにしました。行きは、ケーブルカーを使わず女坂から、大山寺経由で。帰りはケーブルカーで戻ります。
次回は、時間を作って日向薬師、広沢温泉へ抜ける「癒し・スピリチュアルルート」も行ってみたいです。こちらは、帰りに温泉でさっぱりできるのが何より魅力ですね。後述しますが、このルートは、美肌温泉と、この土地の水にこだわったラーメンが楽しめます。
[quads id=1]大山登山スタート!伊勢原駅からケーブル駅へ
山頂までは、伊勢原駅からのバスの時間も含め約3時間。ケーブルカーを使えば、駅から2時間15分くらいです。
観光シーズンは、路線バスとケーブルカーが混むことを考えて少し早めに。9時前には、伊勢原駅着の予定で計画を立てたいですね。
ところが、予定していた電車がこなかったため、慌てて路線変更。慣れない路線だったため予定の1本を間違えて見逃すという失敗をし、駅に着いたのは、9時を少し回ってしまいました。
伊勢原駅駅前にはすでにバス待ち行列が

また、駅の周辺はお店もたくさんありますので、買い忘れやランチも調達できます。数名で行った時は、一人が並んで買い出しもできますね。
GWの合間の平日でしたが、すでに次のバス1台では入りきらないほどの人数が待っています。次のバスまで20分は待つかと覚悟しましたが、10分後には臨時増発便が来て、無事に座ることができました。
伊勢原駅から、終点の「大山ケーブル駅」までは、所要時間は約28分。直行だと約25分です。運賃は、大人310円。
28分バスで立っているのは、なかなか大変。心配な方は、タクシーを利用しましょう。大山まで、約2500円前後です。数名のパーティの場合は、少々割高になりますがタクシーも選択肢になりますね。
ケーブル駅からコマ参道を通って女坂へ

ケーブル駅周辺は、お土産屋さんや観光案内所がありひらけた場所です。
観光案内所には、パンフレットのほか荷物預かり(17時まで、有料)やFreeWifiなどのサービスも。表には、周辺の宿坊の温泉の案内看板も出ていました。事前に知らなかったので、予定に入れてませんでしたが予約しておけば、いくつか宿坊の入浴も可能なようです。
観光案内所でパンフレットをもらいチラ見しつつ、コマ参道へ。コマ参道は、両端をお店や宿坊で囲まれた道で、階段362段、踊り場27段の坂になっています。通常15分かかりますが、お店を覗きながら登るともう少しかかりそうですね。
途中、名物の豆腐料理やおせんべい、みたらし団子など誘惑たっぷり。
大山の男坂と女坂

ケーブルカーを使わない場合は、阿夫利神社下社までが30~40分かかります。観光シーズンはご覧のように、20分に一度しかないため行列です。臨時便が出ていても、並ぶことになるかと思います。



女坂の七不思議

- その1 弘法の水
- その2 子育て地蔵
- その3 爪切り地蔵
- その4 逆さ菩提樹
- その5 無明橋(むみょうばし)
- その6 潮音洞(ちょうおんどう)
- その7 眼形石(めがたいし)
女坂経由で大山寺へ

この階段を登りきることで余計ありがたみを感じてしまうのかも・・・。ケーブルカーを使って山頂駅の阿夫利神社まで行く人がほとんどなので、大山寺は、人少なでした。
ゆっくりお参りしてから、興味があった前述の「からわけ投げ」に挑戦!厄年ではないものの、除けるに越したことはありません。お皿が輪っかを通れば願いも叶うなら、一投三鳥!
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手首のスナップを効かせて、エイっと勢いよく投げて見ましたが・・・。2枚ともかすりもせず。輪のはるか手前、10〜20mくらいしか飛ばせませんでした。残念。野球など得意な方は、是非調整して見てください!
あとはお寺の裏に抜けるとお手洗いがあります。ここから先は、阿夫利神社下社までトイレがないので、済ませておきましょう。
赤い小さな橋があるのですぐにわかります。
この橋、渡りきったところに前述の「無明橋(むみょうばし)」の説明があります。

話をしながら通ると橋から下に落ちたり、忘れ物や落し物をしたり、悪い事が起きたりするという。
引用:丹沢大山国定公園ガイドより
橋の手前に説明書いてよと言いたくなってしまいますね。ちなみに大山寺側の橋の手前には、山蛭の対処法の看板がありました。
(ちなみにヒルがいると事前情報あったので、ゲイターも用意していきましたが、結局、ヒルには遭遇しませんでした)
大山寺から阿夫利神社下社へ


阿夫利神社下社の手前の階段を登り切る前に公共のトイレがあります。1回50円で利用できます。100円はあっても、50円てなかなかないので、50円玉を用意しておくといいかもしれません。
また、下社あたりでは売店やカフェもオープンしています。
キャラメルの濃厚な甘みが疲れた体にちょうどよく、居心地も良すぎて50分も長居してしまいました…。
[quads id=1]大山阿夫利神社下社からの眺望

曇り空だったため、残念ながら、江ノ島などははっきり見えませんでした。周囲はひらけて遮るものは一切ないので、晴れた日なら素晴らしい眺めを堪能できたと思います。次回に期待ですね。
下社では、御朱印も頂けます。御朱印帳を持って行っていなかったので別紙でいただきました。
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大山阿夫利神社下社から大山山頂まで


樹齢は5〜600年。とても1枚では収まりきらないほどの大きさです。根元が1つ2本に分かれた縁起のいい大木で、見上げてみても高さは、ビルの2~3階分はありそうです。
山頂までの道は、道標があり数分ごとに1丁目、2丁目と続き頂上まで28丁目。前述の夫婦杉は、8丁目にあたります。現在地がわかりやすく便利ですね。15丁目の天狗の鼻突き岩、20丁目の富士見台と名所のまでの目印にもなります。
山頂は、売店もありいろいろ売っています。ビールやコーヒー、おしるこ、食事はカレーライスや焼きおにぎりカップ麺もメニューにありました。
もちろん、山頂には、阿夫利神社奥の院があります。
山頂で休みした後、出発前には裏のトイレに必ず寄りましょう。次の目的地の見晴台にもトイレがありません。
大山山頂から見晴台、阿夫利神社下社へ

特に見所もないので、ひたすら無言で下るのみです。
約50分。ひたすら進んで見晴台に到着。見晴台という名を忘れたくなるほどの曇り空。
初めは、日向薬師に向かおうと考えていたのですが曇り空で空がゴロゴロとなりだしたので、下社に戻るコースをとることにしました。山の天気は変わりやすいので、安全策をとるに越したことはありません。
見晴台から下社までは20分ほど。途中、二重滝と二重神社があります。
大山の登山道は整備されているため歩きやすいのですが、下りは足に体重がかかるため、結構足にきます。今回は低山と思っていたのに、最後は、膝が笑うほどでした…。山になれた方でも、意外にきつかったという記録が結構あります。この日のあと数日、筋肉痛でした。大山は、整備されている山道の割には、足腰使います。運動不足の方は気をつけて。
ケーブルカーを使って大山下山

慌てて、お金を払ってソフトクリームを持ったままケーブルカーに乗り込みました。

下りなので、行列を待つこともなく乗れました。ケーブルカーは、約6分。登ると40分かかったところもあっという間に到着です。山麓駅について、豆腐ソフトクリームを堪能したいところですが、次の路線バスまで時間がありません。
ケーブル駅からバス停まで、コマ参道を急いでおりましたが間に合いませんした。おそらく参道でお土産を買う時間を見越したバスのダイヤになっているのかもしれません。おとなしくコマ参道でお土産を吟味しながら、バス停に向かった方が良さそうです。
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大山登山後の温泉
当初は、日向薬師に向かうコースの途中のクアハウス山小屋で汗を流そうと考えていましたが、GW期間はお休みだったため別の入浴場所の候補を探しました。車がある方は、伊勢原駅から北へ10分ほどの伊勢原温泉もいいですね。。
また、今回のコースのようにコマ参道に戻る方は、事前に予約しておけば日帰り入浴が可能な宿がいくつかあります。
日帰り入浴が可能な宿
- 旅館元滝
- 旅館浅田
- 古宮旅館
- 東学坊
七沢温泉コース 美肌の湯温泉とこだわりラーメン
また、七沢温泉へ抜けるコースも人気。見晴台から日向薬師方面へさらに抜け日向山、七沢温泉の「七沢荘」がコースの定番。ここの温泉は、「全国美肌の湯ベスト9」にも選ばれたことがあるそうでpH9.54以上の強アルカリ性のヌルヌル温泉。21時まで営業しているのも嬉しい。
このあと、この土地の水を選び抜いてわざわざここにお店を開いたというZUND-BARのラーメンを食べるのが定番コース。
▼ZUND-BAR
食べログ ズンドバー
帰りは、広沢寺温泉入口バス停から小田急の本厚木駅へ28分です。
美味しいラーメンと綺麗になれる温泉が待っていると思えば、辛い山道も耐えられそう!次は是非このコースに挑戦したいと思います。
大山登山の服装
大山は低山の部類に入ります。ケーブルカーを使い下社までなら普段着でOKですが、それ以降の奥社まで行くのであれば登山の服装は必須。標高は、1,252mなので山頂の気温は、ふもとよりも7度近く下がります。5月6月であれば、ダウンまではいらないまでも、レインウェアや薄手のアウターは必携です。
ヒル情報があったので、短パンはさけトレッキングパンツの下にタイツ、もしものためにスパッツも用意しました。結果、ヒルには遭遇しなかったのですが、山頂付近で曇り空になると、だいぶ肌寒くなります。(5月上旬)
雨は降らなかったので着なかったものの、防寒用にもレインウェア上下はやはりは、必要です。
5月の大山登山服装
- 帽子
- ウィンドウシェル
- 半袖+アームカバー
- トレッキングパンツとタイツ
- 厚手の靴下
- スパッツ
- レインウェア上下
- トレッキングシューズ
- 25Lザック
これ以降の季節になると、1000m級の山はとても暑くなってきますので熱中症などに気をつけたいところですが、半袖だけにするなどは、NG。紫外線対策も考え真夏でも必ず長袖のアウター、レインウェア上下は携帯しましょう。
大山登山 日帰り持ち物
- 財布:現金とスイカなど
- 保険証
- 水:1.5L以上(暑いので意外に飲んでしまいます)
- 時計
- レインウェア上下
- 軍手(途中鎖場あり)
- ヘッドライト(暗くなった時のため)
- ランチ
- 行動食
- バーナーとガス
- 食器類
- 流せるティッシュ
- ハンカチ
- 携帯&モバイルバッテリー
- 地図
- 普段使いの薬
- 日焼け止め
- 塩(ヒル対策)
- 虫除け
温泉に入る場合
温泉後用の着替えや洗顔メイクセットが必要。できれば、足元も解放したいので山靴の代わりになるサンダルなどもあるといいですね。
- 着替え(下着、帰りのワンピースなど)
- 洗顔セット
- メイクセット
- お風呂セット
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まとめ
今回は、人気の大山登山についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?都心からのアクセスが近く、パワースポットでもある大山は、現代でも人気のエリア。初夏のGWや紅葉の季節はとりわけ訪れる人も多くなります。
バスやケーブルカーの時間に気をつけ、行程を組んでくださいね。
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